第94章

やっと掴みかけた手がかりが、また途切れてしまった。

島宮奈々未は魂が抜けたように車に戻り、安島若菜もどう慰めればいいのか分からなかった。

「奈々未、もしかしたらこれが天意なのかもしれないわ。でも落ち込まないで。生きている限り、いつか必ず見つかるから」

島宮奈々未は長く濁った息を吐き出した。心の中には、言葉では言い表せない喪失感と安堵が入り混じっていた。

もしかすると、本当に天意なのかもしれない。

その時、島宮奈々未のスマートフォンが鳴った。綾田清子からの着信だった。

「島宮さん、どうしてまだ出社していないの? あと三十分で会議が始まるのに、みんなあなたの手元にある資料を待っている...

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